2021/5/14-16の3日間オランダアムステルダムでお2人のセミナーが開催されました。
ミッシェル・オダンは1968年から1985年までフランスの病院で外科・産科をして勤務し、1985年以降はイギリス/ロンドンに移住し、自宅出産を支援。
陣痛時にプールを使用したり、出産後1時間内の母乳育児の推奨、サポート、妊婦の為の歌のセッションなど始めて医学界に紹介した方でもあります。同地にプライマル・ヘルス研究所を設立し研究を続けています。https://www.wombecology.com/
リリアナ・ラマーズは、ブエノスアイレス出身で4人の子どもの内3人を自宅出産。また4人の孫の祖母でもあります。初め教師をしていましたが、後にドゥーラになり、ミッシェル・オダンと共に出産に立ち会い21歳からドゥーラとして活動、病院や自宅出産等400件以上の出産に立ち会っています。ミッシェルと共に、ヨーロッパ各地でドゥーラコースや出産・妊娠セミナーを開催しています。https://www.paramanadoula.com/
セミナーの内容は、出産の生理学、妊娠、ホルモン、出産、母乳育児について。午前中ミッシェルが話し、午後はリリアナ。
1日目は参加者も緊張した面持ちで、セミナーに参加して嬉しいと言わんばかりの気持ちで一杯でした。 2日目からは参加者との対話形式で、とてもアクティブな時間を共有しました。元々、(オランダ時間)9時半スタート、ランチタイム1時間半、後半から17時半までというスケジュールはあるのみで、ライブ感溢れ終始参加者と講師お2人の持続的な会話のキャッチボール。質問も止まることなくチャット欄で流れ、聞き流したこと、その他のリソース等もわかる人がどんどん伝えあう、参加者の壁、国の壁が感じられない特別な時間でした。 お2人の長い経験と、色んな視点からの言葉はどれも重たく、ずっしりと私の中にも響いていました。と、同時に毎回話の中に、ユーモア溢れ、笑いあり、感動したり、驚いたり。
講師も参加者もお互いが本音で話す事が3日間なされていました。 参加して感じた事。世界各国から70人ほどが参加して、ここ日本でも見聞きしている母としての悩み、葛藤にもよく聞かれることも多く聞かれました。各国でドゥーラとしてどのように医療者と対話していくといいか。
参加者のあるドゥーラは「30年以上も前の自分が経験した辛く、悲しく、悔しい出産体験を共有してくれました。彼女は「自分が出産をする。出来る!と思っていたのに結局出来なかったという想いを持ち続けている。30年経って、私の娘が出産する時には色んな想いがあった。」という言葉に、出産の経験は人それぞれで30年も心に残っていられる事を間近に聞きました。
とても印象深かったことは、ミッシェルが3日間毎回「Child birth is Cultural issue, Cultural level, Cultural condition(出産は文化的な問題であり、文化的なレベルであり、文化的な条件である。)」と繰り返して言われました。
個人的に質問できる機会に恵まれ、ミッシェルがセミナーの中で毎回言われてる”Cultural/文化的”という意味をもう少し掘り下げて教えて下さいと質問をした所、
・その国その国の文化がまず根底にある事。
・今現在起きている問題は、国全体、文化の問題でもあり、文化レベル、ましてや、女性が戦うのではなく国レベルで向き合うことが大切。
・また、当事者が優先して主導権を握るべき、だけどそれは革命を起こすことではなく今ある問題を当事者と分析する事が今最も重要であること。
彼の長い経験の中からのこれらの言葉は、大きなギフトでした。
今後出逢う女性たちと対話を主にし、本人が納得するお産を同じ目線で見つめて側に居たいと思います。
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